痛くてツライ五十肩(四十肩)。
実は、「冷え」によって起こる痛みの代表的な症状でもあります。
時間の経過と共に自然に治りますが、適正な治療を行わないと痛みが長引いたり、治癒後も肩関節の動きが悪くなってしまうこともあるので注意が必要です。
鍼灸治療によって痛みや拘縮を軽減し、症状の激化を防ぎ回復を早める事が出来ます。
痛みの軽い時期に、早めに鍼灸治療を受ける事をオススメします。

五十肩(四十肩)とは?

五十肩は「肩関節周囲炎」の一分類とされています。
肩関節周囲炎には、

・肩峰下滑液包炎
・石灰化腱炎
・上腕二頭筋長頭腱炎
・肩関節炎

など、様々な病態がありますが、これらに分類されない症状を「いわゆる五十肩」として分類しています。
ここでは、「いわゆる五十肩」について解説します。

五十肩(四十肩)の原因

原因は、詳しく解明されていませんが、肩関節周囲の筋肉や軟部組織の老化によるものといわれています。
古典医学では、老化によって気の巡りが悪くなった状態に冷えが影響し、筋肉や軟部組織が硬くなった結果、痛みや可動域制限が表れた状態と考えられます。

五十肩(四十肩)の症状

五十肩は、急性期と慢性期に分かれます。

Ⅰ.急性期(疼痛期)
・腕を上げたり動かしたり、不意の動作でズキンと痛い。
・じっとしていても痛い。
・夜間に痛くて眠れない。
など、痛みの強い時期です。
いきなり痛くなる訳ではなく、最初は「アレッ、腕を動かしづらいな」とか「腕が上がりづらい」などの違和感から痛みに変わって来ます。

Ⅱ.慢性期(拘縮期)
・腕を少し動かす位なら痛くないが、大きく動かすとズキンと痛い。
・痛み少ないが、腕を動かせる範囲が狭い。
肩関節周囲の軟部組織や筋肉が、こり固まってしまった状態です。

五十肩(四十肩)の治療法

Ⅰ.急性期(疼痛期)
局所の施術を避け、首~背中、腕や足など遠隔部に「冷え」を改善する鍼灸治療を中心に行います。
炎症や熱感の強い場合は、安静を保ち、氷のうなどで患部を冷やすようにお話します。

Ⅱ.慢性期(拘縮期)
「冷え」を改善する鍼灸治療に加え、患者さんの状態を見極めならが、疼痛緩和や拘縮の改善を目的に局所への鍼灸治療やストレッチなどを行います。
拘縮の強い場合は、関節モビリゼーションなどを行う場合もあります。

五十肩(四十肩)のセルフケア

痛みの強い急性期は、安静を保ち運動療法などは行わないのが基本です。痛みが徐々に和らいできたら、痛くない範囲で積極的に動かすようにします。
運動療法としては、コッドマン(アイロン)体操、棒体操、指壁運動などが一般的ですが、こちらでは簡単に出来るストレッチをご紹介します。
ASTR(Active Soft Tissue Release)というストレッチ法で、トリガーポイント(硬結・圧痛点)を押圧しながら行うのが特徴です。
トリガーポイントを押圧することにより、少ない関節可動域で効果的なストレッチが可能なので、痛くて大きく動かせなくても、痛みのない範囲内で十分なストレッチ効果があります。

Ⅰ.棘下筋のストレッチ
・肩甲棘(肩甲骨上の背骨寄り~腕の方に行っている骨)の下方にある棘下筋を確認します。
・「小さい前へならえ」の状態から手を外側に開きます。
・棘下筋の圧痛点を押しながら、手を内側(お腹を触るように)に数回ストレッチします。
・圧痛点が複数の場合、押す場所を変えながら上記のストレッチを繰り返します。

Ⅱ.肩甲下筋のストレッチ
・脇の下~肩甲骨の裏側にある肩甲下筋を確認します。
・「小さい前へならえ」の状態から手を内側(お腹を触るように)に持って行きます。
・肩甲下筋の圧痛点を押しながら、手を外側に開き数回ストレッチします。
・圧痛点が複数の場合、押す場所を変えながら上記のストレッチを繰り返します。