不眠症の鍼灸治療とセルフケア
立春を過ぎ、暦の上では春になりました。
風は、まだまだ冷たいですが、日差しは徐々に春めいてきています。
春眠暁を覚えず
春は、何となく眠たい季節ですね。
しかし、現代のストレス社会では、不眠症に悩む方も多いようです。
日本人を対象にした調査では、5人に1人。60歳以上では、3人に1人が、何らかの不眠状態であると回答しています。
1.不眠症とは
入眠障害、中途覚醒、早朝覚醒、熟眠障害などの睡眠問題が1ヶ月以上続き、日中に倦怠感、意欲低下、集中力低下、食欲低下などの不調が出現する病気です。
2.原因
様々な原因があり、症状の一つとてして不眠症を訴える場合が多い。
Ⅰ.ストレス
・身体的・精神的ストレスによる緊張状態。
Ⅱ.身体の病気
・痛み、かゆみ、呼吸困難、咳、頻尿を伴う疾患。
・最近では、睡眠時無呼吸症候群やムズムズ脚症候群によるものも多い。
Ⅳ.心の病気
・うつ病、神経症、統合失調症など。
Ⅴ.薬物、刺激物の服用
・治療薬の中には不眠になるものもある。
・コーヒー、紅茶、タバコなど。
Ⅵ.生活習慣や環境
・夜勤、宵っ張り、寝室の温度や湿度、騒音など。
3.症状
睡眠時間が短い、何度も目が覚めるということがあっても、日中に精神や身体の不調による生活の質が低下がなければ、不眠症とは診断されません。
Ⅰ.入眠障害
・布団に入っても、なかなか寝付けない。
Ⅱ.中途覚醒
・眠りが浅く夜中に何度も目が覚める。
Ⅲ.早朝覚醒
・早朝に目覚めてしまう。
Ⅴ.熟眠障害
・ある程度眠っても熟睡感が得られない。
4.治療法
Ⅰ.基礎疾患の診断と治療
・身体や心の病気が原因の場合、その病気に対する治療を優先する。
Ⅱ.薬物療法
・睡眠薬、抗不安薬、抗うつ薬など。
Ⅲ.心理療法
・カウンセリング、自律神経訓練など。
鍼灸やマッサージは、全身の緊張を緩めて心身をりラックスさせる効果があります。Ⅰ~Ⅲの治療法と併用する事で不眠症の治療に効果的です。
不眠を訴える患者さんには、頭部のブヨブヨとした浮腫感、左右の肩甲骨の間~背中と腰の境付近の筋肉(脊柱起立筋)にゴリゴリとした硬結(こり)があることが多いように思います。これらの症状を解消する事が、治療のポイントになるのではないかと感じています。
東洋医学の古典には「夜になって眠る時に血が肝に帰る」という記載があります。逆に言うと、肝の作用により全身に送られていた血が、肝に帰れないと不眠になるということです。
何らかの要因によって、心身のバランスが乱れて血の消耗や血の停滞が起こると、肝に血が帰れない状態となります。
鍼灸は、寒熱や気・血・水分を調整し、全身のバランスを整えることで不眠の治療を行います。
5.セルフケア
就寝前に行うリラックス法をご紹介します。
基礎疾患をお持ちの方は、主治医と相談しながら行ってください。
また、痛くない程度に無理のない範囲で行ってください。
Ⅰ.耳のマッサージ
・耳の上部分をつまみ、ねじったり引っ張ったりする。
・しばらく行うと局所が柔らかくなりポカポカと暖かくなる。
Ⅱ.首回し
・一周30秒位、ゆっくりと首を回す。
・力を抜いて口をポカンと開けたまま息を吐きながら。
・重さに任せ、ゆっくりと頭を転がす感じで。
・引っ掛かりを感じる箇所は入念に。
Ⅲ.足裏さすり
・足裏と手掌を重ね合わせ、優しく撫でるように足裏全体をさする。
・足裏と手掌が、一体になるようなイメージで。
・呼吸は、足裏から息を吐くイメージでゆっくりと。
Ⅳ.脱力ポーズ
・仰向けに寝て、手掌が目の裏側に当たるように両手を頭の後で組む。
・脚を気持ちの良い方向に組んでリラックスする。
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