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顎関節症の鍼灸治療とセルフケア

2009 年 2 月 8 日 日曜日

現代の日本人は硬いものを食べなくなり、顎の発達が悪くなったと言われています。
その影響からか、顎関節症でお悩みの方が年々増加しています。

1.顎関節症とは
顎関節や周辺の筋肉などに異常があり、「顎が痛い」「顎が鳴る」「口が開けづらい」などが主な症状の慢性的な疾患です。
20代~30代の女性に多く、上記のような症状の他に首・肩のこりなどの全身症状を伴う場合が多いです。

2.原因
精神的・肉体的ストレスによる「歯の食いしばり」「歯ぎしり」や偏咀嚼による筋肉・関節への負担、不正咬合、外傷などがありますが、私は、精神的ストレスに起因するものが大半だと感じています。

3.症状
Ⅰ.顎が痛い
・顎関節及び周辺の頬やこめかみの痛み。
・口の開閉、食べ物を噛むなど、顎を動かした時に痛む。

Ⅱ.開口障害
・正常な場合、指が縦に3本分以上入るが、1~2本程度しか入らない。

Ⅲ.顎関節の異音
・顎を動かした際、耳の前あたりで「カクカク」「ジャリジャリ」「ミシミシ」といった音がする。

Ⅳ.顎周辺の違和感
・顎の動きに変化が生じて噛み合わせが変わったような違和感を感じることがある。

Ⅴ.様々な全身症状を伴う
・頭痛、首・肩・背中の痛み、腰痛、肩こり、耳の痛み、耳鳴り、耳閉感、難聴、めまい、目の疲れ、歯の痛み、嚥下困難などを伴う場合がもある。

4.顎関節症のタイプ
Ⅰ.筋肉の障害によって起こるタイプ。
Ⅱ.関節包・靱帯の障害によって起こるタイプ。
Ⅲ.関節円板の障害によって起こるタイプ。
Ⅳ.変形性関節症によって起こるタイプ。
Ⅴ.Ⅰ~Ⅳが混合したタイプ。

上記のように様々なタイプがありますが、最近の研究では、筋・筋膜性疼痛(MPS)や線維筋痛症(FMS)と呼ばれる全身症状を伴った「筋肉の障害によるもの」が多いという報告もされています。

5.治療法
口腔外科や歯科などでの薬物療法(筋弛緩薬・局所麻酔、抗炎症薬・抗うつ薬など)、運動療法、スプリント、外科療法、咬合療法などがあります。
全身症状にも対応可能な鍼治療やマッサージは、身体への侵襲も少なく、セルフケアと並行して行う事により治療効果が高まります。

6.セルフケア
咀嚼筋のストレッチが有効ですが、痛みの激しい時は行わないようにしてください。
また、ストレッチの際は、痛過ぎない範囲内で慎重に行ってください。
ご紹介するのは、ASTR(Active Soft Tissue Release)というストレッチ法で、トリガーポイント(硬結・圧痛点)を押圧しながら行うのが特徴です。
トリガーポイントを押圧することにより、少ない関節可動域で効果的なストレッチが可能です。
痛くて大きく開口できなくても、開口可能な範囲内で十分なストレッチ効果があります。

Ⅰ.側頭筋のストレッチ
・こめかみ~耳の上付近にある筋肉です。
・口の開閉で動く場所から圧痛点(押すと痛い所)を探します。
・圧痛点を頭頂部方向に押しながら、口をゆっくりと痛過ぎない範囲で5~6回開閉します。
・圧痛点が複数ある場合、圧痛点ごとに上記の動作を繰り返します。

Ⅱ.咬筋のストレッチ
・耳の穴の前方、頬骨弓という骨の部分の下にある筋肉です。
・口の開閉で動く箇所の圧痛点を探し、側頭筋と同じ要領で口を開閉します。

Ⅲ.内側翼突筋のストレッチ
・下顎角(エラの部分)という骨の部分のう内側にあるので触れにくい。
・下顎角の内側の圧痛点を押しながら、側頭筋と同じ要領で開閉します。

Ⅳ.外側翼突筋のストレッチ
・耳の穴の前付近の深い所にあるので、ほとんど触る事ができません。
・どこも押さずに顎を前方に突き出す、後方に引く(上の前歯を突き出すイメージ)を数回繰り返します。

足底腱膜炎の鍼灸治療とセルフケア

2008 年 9 月 7 日 日曜日

足底腱膜炎についての質問をいただきましたので対処法をご紹介します。

1.足底腱膜炎とは
足底腱膜は足底の踵骨から足趾に広がっている筋肉や腱を保護し、足底のアーチを保っている腱様組織です。
足底腱膜が何らかの原因で炎症を起こすと踵骨隆起(踵のふくらみ)の前面付近に痛みをもたらします。

2.原因
スポーツや長時間の立ち作業、肥満、合わない靴の使用などによる足底腱膜への慢性的な刺激が考えられます。

3.症状
特徴は、起床時や長時間の坐位などからの第一歩目の踵の痛みです。痛みは、歩行すると次第に軽くなりますが、慢性化すると歩行中にも痛みます。

4.当治療院の治療法
熱感、腫れ、発赤、痛みが強い場合は、安静を保ちます。
これらの状態が長く続くいたり、症状が強い場合は、整形外科などで精査、鎮痛・消炎剤などの処置が必要かと思います。
慢性化すると治りづらいですが、根気良く治療を継続して行くことが大切です。

・古典医学的な診察法に基づき、全体的なバランスを整える鍼をします。
・腓腹筋、ヒラメ筋など関連する部位へ症状緩和の鍼をします。
・足背への鍼が効果的な場合があります。
・足底への刺鍼が最も効果的ですが、痛みを感じ易いので最終手段としています。
・セルフケアとして、ストレッチ方法をアドバイスいたします。

5.セルフケア
足底腱膜、足底筋群、腓腹筋、ヒラメ筋のストレッチが効果的です。
ただし、痛みや炎症状態が強い場合は控え、無理のない範囲で慎重に行ってください。
ご紹介するのは、ASTR(Active Soft Tissue Release)というストレッチ法で、トリガーポイント(硬結・圧痛点)を押圧しながら行うのが特徴です。
トリガーポイントを押圧することにより、少ない関節可動域で効果的なストレッチが可能です。
痛くて大きく動かせない場合でも、動かせる範囲内で十分なストレッチ効果があります。

ア.足底腱膜、足底筋群のストレッチ
 ・踵骨隆起前面の圧痛点(押すと痛い所)を探す。
 ・足趾を足底側に曲げた状態で圧痛点を踵骨隆起方向に圧迫する。
 ・圧迫したまま足趾を足背方向へ痛過ぎない力で約5秒間ストレッチする。
 ・一旦圧迫を解き、上記の動作を5~6回繰り返す。
 ・圧痛点がが数ヶ所ある場合、その部位ごとに上記のストレッチを繰り返す。

イ.腓腹筋のストレッチ
 ・腓腹筋は、膝関節を屈曲しない状態で行います。
 ・腓腹部(ふくらはぎ)の圧痛点を探す。
 ・足関節(足首)底屈した状態で圧痛点を膝窩(膝の裏側)方向に圧迫する。
 ・圧迫したまま無理のない範囲で足関節を背屈し、約5秒間ストレッチする。
 ・一旦圧迫を解き、上記の動作を5~6回繰り返す。
 ・圧痛点がが数ヶ所ある場合、その部位ごとに上記のストレッチを繰り返す。
 ・膝を伸ばしたまま行うので、1人で行うのは少し難しいかも知れません。

ウ.ヒラメ筋のストレッチ
 ・ヒラメ筋は膝関節を屈曲した状態で行います。
 ・腓腹筋の下層の筋肉なので、圧迫部位やストレッチ方法は、腓腹筋と同じです。

エ.ヒールカップ、足底板、アーチサポートなどの使用
足底の保護やアーチの形状を保つ装具。市販もされていますが、専門家の処方が必要な場合もあります。